命日の墓参りでのマナーや作法、花の種類や選び方について

先祖のお墓に墓参りに行くという風習はだんだんと少なくなってきている昨今ですが、日本人であれば先祖代々のお墓を守っていくことを伝承していきたいものです。
先祖を供養し、敬う気持ちを大切にするために、できるだけ毎年のお墓参りをするようにしましょう。ここでは墓参りに関してのマナーなどについて解説します。
お墓参りの時期
お墓参りを行う時期などに関しては決まりはありません。いつ参っても構いませんが、一般的には「命日」「お盆」「お彼岸」に参ることが多いです。
これに関しては宗教によって異なり、仏教の場合では、「命日」「お盆」「お彼岸」、キリスト教では決まりはありませんが命日に行うことが多く、神式では命日や式年祭にされることが多いです。
お墓参りは都合の良い日で構わない
時間帯についての決まりはないのですが、ご先祖様のことを最優先に考えて行動しましょうと気持ちから、午前中が良いとされています。
お墓参りでの服装
新盆や一周忌など特別な忌日の場合は喪服で参るのが一般的です。
お盆やお彼岸の場合は派手すぎず、お化粧もひかめに、香水は香りの強い物は避けるようにしましょう。
持ち物
お墓参りの持ち物としては、掃除道具とお参り道具が必要となっており、以下のものがあればよいと言われています。
- 掃除道具…「ほうき」「軍手」「ゴミ袋」「バケツ」「たわし(スポンジ、歯ブラシ)」「ハンカチ」
- お参り道具…「数珠」「お線香」「ろうそく」「ライター(チャッカマン)」「お花」「手桶」「柄杓」「お供え物」「半紙」「お皿」
お墓参りの手順
まずはお墓の周りをほうきで掃き、雑草が生えているときは抜くようにしましょう。花立て、香炉などは軟らかいスポンジで水洗いしながら洗い、その後はタオルで優しく拭き上げましょう。細かい部分に関しては歯ブラシで磨くと綺麗になります。
綺麗になったら、お花やお供え物を備え、水鉢に水を注ぎ線香をあげましょう。お参りの順番は特に決まっていませんが、血縁の濃い順からすることが多いです。
お供え物
お供え物は故人が好きだったものがいいのですが、ドラマや映画などで、故人がお酒を好きだったからと墓石にお酒をかけているのを見かけますが、墓石を痛める可能性があるので、できればそういったことは止めておきましょう。
また、お供え物に関してですが、お参りの後はお持ち帰るようにしましょう。春のお彼岸にはぼたもち、秋のお彼岸にはおはぎを持っていく地方もあり、その際には持ち帰ると死者も一緒に帰ってくると言われ、その場で食べるというところもあります。
お花について
命日のお墓参りにお供えするお花は、特にこれでなければならないというものはありません。故人が好きだったお花を選ばれるのがいいでしょう。
きれいに見える淡く、優しい色合いの花で、白、黄、紫、ピンクの色を選ぶのが一般的で、金額は1,000円~2,000円くらいでまとめます。
花の本数は奇数がいいとする日本の風習から3、5、7本にする良いでしょう。このときの花選びで避けたいのは、花に毒やトゲのあるものは不吉だと言われているので避けるようにしておきましょう。
以下、よく選ばれる代表的な花とその意味を表すものです。
- 菊……「邪気をはらう」という意味があり、仏花としてもよく利用されています
- カーネーション……「無垢で深い愛」という意味があり、故人への深い愛情が伝わる花束です
- ストック……「愛情の絆」という意味があり、これからも変わりない絆を意味します
- リンドウ……美しい青色が特徴的で、秋の花でお盆の際に選ばれることが多いです
- グラジオラス……「思い出」を意味し、まっすぐな花のでお墓に使いやすいです
- ケイトウ……夏に多く使われ、ふわふわした花弁が花束をやさしい印象を与えます
墓地、寺院に入る時の作法
墓地や寺院に入る前にどうすればいいのか、知らない方も多いのではないでしょうか。
簡潔ですが一般的な作法を以下にまとめましたので、頭の片隅にでも留めておきましょう。
- 墓地、寺院に入る前に、本堂の前で一礼し、手水舎がある場合は手を洗い身を清めます
- 右手で柄杓を持ち、水をくみ、左手を清めます
- 柄杓を左手に持ちかえ、右手を清めます
- 柄杓を右手に持ちかえ、左手に水を注ぎ、その水を口に含み、音を立てずに口をすすぎ、口元を隠し、静かに下を捨てます
- 右手で柄杓を持ち、水をくみ、左手を清めます
- 柄杓の器部を上になるように立て、残りの水で柄杓の柄の部分を洗います
- 最後に柄杓を元に戻してお清め終了













