お悔やみの言葉の正しい言葉遣いなどの解説と例文まとめ

お葬式や弔問にうかがえない時、手紙やメール・電報でお悔やみの言葉を伝えることがあります。その際にどのような言い回しをしたらいいか?困ることがありますよね。
今回は一般的なお悔やみのマナーや宗派や宗教ごとの違いなど、状況別に例文を添えて一緒に解説していきます。
メールでお悔やみは送れるのか、お悔やみのマナーと例文
お悔やみの基本的なルール
不幸というものは、急にくるもので、悲しい知らせを受けても、どんな言葉をかければいいのか迷ってしまいますよね。
まずは「お悔み申し上げます」と簡潔に気持ちを伝えましょう。
「このたびは、ご愁傷さまでした。心からお悔やみ申し上げます。」
「このたびは急なお知らせ、誠に残念でなりません。せめてお力落としなさいませんよう。」
こういった挨拶が一般的なものです。
連絡をいただいたら、お通夜・葬儀の日時と場所、喪主の氏名、宗派や宗教を確認が必要となるのですが、これは弔問やお悔やみの手紙や電報を送る際に重要となってきます。
なぜなら、お悔やみを文章で送る場合は特に、喪主からみた故人の続柄をはっきりさせる必要があるからです。
基本的にお悔やみの言葉は、喪主や遺族と直接対面して伝えるもので、手紙や電報・メールは、お葬式に参列できない場合にやむを得ず送るものです。
お悔やみは、遺族の負担を考え簡潔に済ませるようにします。
故人と送り主の関係がわかるように簡単に自己紹介をし、故人への哀悼と、遺族への気遣い両方を伝える表現にしましょう。お葬式に出ない場合はその非礼をおわびします。
香典に手紙を添えて送る場合は、現金書留用の封筒を使い、「心ばかりですが、お仏前にお供えください」と一言添えるようにしましょう。
手紙やメールの場合は、時節の挨拶などは不要です。あて名は喪主の名前を書き、封筒は、袋が二重になったものは避けるようにしましょう。
こんな場合、お悔やみをどう伝えるべきか
事故や病気、子どもが亡くなった時や、世間一般に「大往生」と呼ばれる場合どうしたらいいのでしょうか。
病気や事故で亡くなった場合も、詳しい病状や状況、死因などを聞いてはいけません。まずは、遺族の心情や事情を考えましょう。
「ご回復を信じておりましたが、まことに残念なことです。心よりお悔やみ申し上げます。」
「お見舞いにうかがった時はお元気そうでしたので、またお会いできると信じておりました。ろくに手伝いもできず大変失礼いたしました。心よりお悔やみ申し上げます。」
「急なお知らせで、いまだに信じられずにおります。お慰めの言葉もございません。まずはお気をしっかり持たれますように。」
子どもが亡くなった場合は、遺族の気持ちを考え、お葬式に自分の子どもを連れて参列するのは避けましょう。
ただし、遺族が「最後にお友達や同級生に会わせたい」などと希望された場合は別です。
就学前の子どもの場合は、名前にちゃん付けでもいいでしょう。
「○○ちゃんが亡くなったとのお知らせ、まことに残念でなりません。○○ちゃんの笑顔を思い出すと、ご両親のお心はいかばかりか、胸が痛みます。心よりご冥福をお祈りいたします。」
それ以降の年齢なら、大人にかける言葉と同じでかまいません。
「このたびは、本当にご愁傷様でございます。ご両親のお悲しみ思うと、かける言葉もございません。心からお悔やみ申し上げます。」
お年寄りの方が亡くなられた際に「大往生でしたね」「天寿をまっとうされましたね」などと言ってはいけません。
これはあくまで、遺族側が自分たちをなぐさめる時に使う言葉です。
「かねてよりご加療中とうかがいましたが、お知らせをいただき驚いております。○○さんには人生の先輩としてまだまだご指導いただきたいと思っておりました。心よりお悔やみ申し上げます。」
また、お悔やみだからとあまり大げさな表現をするのも、かえって遺族の悲しみを増幅させるおそれがあります。
さらに、「忌み言葉」や、宗教・宗派による言葉の違いに注意しましょう。
具体的には「死ぬ」「生きる」「急死」などの直接的な表現や、「重ね重ね」など繰り返しの言葉は、同じ不幸を繰り返すとして嫌われます。これは英語も同様で、deathなどではなくpassやlossといった表現を使います。「ご冥福を祈る」といった、宗派によってはなじまない表現は避けましょう。
また、「冥福」「供養」「成仏」などは仏教用語なので、他の宗教では使わないようにします。
分からない場合は、「お悔み申し上げます」「つつしんで哀悼の意を表します」あたりが宗教や宗派に左右されないので無難です。
キリスト教では、「安らかな眠りを心よりお祈り申し上げます」といった表現が多いです。また、「神のおそばに近づけますように」といった表現もあります。
神道では、「御霊(みたま)のご平安をお祈り申し上げます」などです。
メールや電報でお悔やみを送る場合
そもそも、メールでお悔やみを送ってもいいのか、と思われるかもしれませんが、これは、結論からいうと問題ありません。
メールでお悔やみを送るのは、友人や知人など親しい間柄、もしくはビジネスメールで訃報を受けた場合に限ります。
メールで送る場合も、マナーは手紙などと一緒です。件名に「お悔やみ」など分かりやすく明記し、前置きをなくして簡潔に述べるようにします。
ビジネスの場面で、お悔やみのあとに仕事の話をする場合は、「恐縮ながら」と付けくわえましょう。
件名:○○(社名・名前)より心からお悔やみ申し上げます
本文:このたびは、○○様の突然のご逝去に社員一同驚いております。
ご葬儀にうかがうことができず、まことに申し訳ございません。
略式ながらメールにてお悔やみを申し上げます。
友人や知人など、親しい間柄に送る場合でも、言葉使いは丁寧なものにします。
件名:お母さまのご冥福をお祈りいたします
本文:このたびは、まことにご愁傷さまでございます。
いつも朗らかに話されるお姿を拝見しておりましたので、信じられない気持ちでいっぱいです。○○さん、あなたのお心を思うと胸が痛みます。
どうか私にできることがあれば、遠慮なく連絡してくださいね。
また、電報は式の前日までに申し込みます。
手紙よりも電報の方が早く届くため、まずは電報を打ち、その後にお悔やみ状を書くようにしましょう。
電報の場合は、電話会社のほうであらかじめ例文のいくつかあるので、文字数などを考えながら選ぶといいでしょう。
電報・メール・手紙いずれの場合も、故人の続柄は「喪主からみて誰にあたるか」を考えます。この呼び方には普段と違うものがあるので注意が必要です。
例をあげると、父親は「ご尊父様」、母親は「ご母堂様」などがあります。また、夫の母なのか妻の母なのかでも呼び方が変わります。
判別のつかない場合は、一般的な呼び方で、失礼にあたらないものを調べておきましょう。













