友引にお葬式をしてはいけない？その理由とは

友引にお葬式をするのは、古くから「故人が親しい人をあの世に連れて行ってしまう」と信じられ、避けられてきました。現代では友引の日に休業する火葬場が多いという、現実的な理由から避けられています。それでは、もしもお葬式と友引が重なったらどうなるのか、解説していきます。

日曜や友引にお葬式が重なったらどうする？

友引に葬式を避ける理由「六曜」とは

カレンダーを見ると、日付や曜日の他に小さく、仏滅や大安などと書かれていることがあります。これは中国が起源と言われている、その日の運勢や吉凶を示す「六曜」というものです。

六曜はその名の通り、全部で六種類あります。先勝・先負・仏滅・大安・赤口の他に、お葬式でよく言われる「友引」の六種類です。この友引は古くから、お通夜やお葬式をするには縁起の悪い日だとして嫌われています。

しかし、六曜での友引は、「正午以外の時間は吉とする」「何事も勝負がつかない日」といった意味で、お葬式についてはダメだと言っていません。

そういった古くからの慣習があり、今も多くの地域で、友引のお葬式は避けられています。また、葬儀社や火葬場も、友引を休みにしていることが多くあり、その為、現代ではどちらかと言うと、「火葬場が休みだから」という、現実的な理由で友引にお葬式をしないようになっています。

友引にお葬式をしたら安く済むのは嘘！

結婚式場では、仏滅に予約すると「縁起が悪いから」と安くしてくれる所があります。それでは、同じく「縁起が悪い」とされている、友引の日にお葬式をすると、安くなるのでしょうか？

結論から言うと、友引の日にお葬式をしても、費用は変わりません。それどころか、反対に高くなってしまうことがあります。

もちろん、火葬場が開いていれば、友引の日にお葬式をしてもかまいません。六曜は、仏教が由来の考え方ではなく、あくまで占いだからです。特に浄土真宗のような、迷信や占いを否定する宗派では、「友引に火葬や葬儀をやるのは全く問題ない」とはっきり答えています。

さらに費用の話ですが、土日や祝日など、一般企業なら休みの日でもお葬式の値段は変わりません。これは時間帯でも同様です。例えば、時間の都合で夜にお通夜をして、そのまま深夜に火葬をするなどしても、費用には特に変わりありません。

ただし、お通夜やお葬式は、火葬場の開いている時間帯に合わせているため、そのような日取りはありえないと言っていいでしょう。

お葬式と友引が重なったらどうする？

「友引のお葬式は嫌だ」と言って、タイミングを合わせて亡くなる人はいません。どうしても、お葬式が友引に当たってしまう場合はあります。問題ないとはいえ、地方や世代によっては、やはり友引は避けられます。どうしたらいいのでしょうか。

地方によっては、友引の前日に火葬を済ませてから、お通夜をすることもあります。また、友引に火葬する時に、紙で作った身代わりの人形を棺に入れる地方もあります。

友引にお葬式をしても、参列者が嫌がることがあります。その為、本来は問題がなくても、友引を避けていることがよくあります。

ちなみに、初七日や四十九日などの法要は、命日から起算するものなので、六曜は関係ありません。

キリスト教のお葬式も友引を気にする？

友引にお葬式をするか、そうでないかは、宗派や宗教によっても考えが異なります。

浄土真宗は、もともとの教義が迷信や占いを否定しているため、こだわりません。神道は、「仏滅は神社に参拝する人が少ない」という意見もあり、教義としては気にしないものの、六曜を信じる人があまりにも多いため、対応せざるを得ないようです。

キリスト教でも、やはり関係がないどころか、死は神のいる天国に行くことなので「友達と行けるなら、むしろおめでたい」と歓迎する人すらいるほどです。

しかし、どの宗派や宗教でも、火葬場がやっていないので、やはり友引にはお葬式ができなという実情があります。