神式の葬儀の流れとマナーについて

一般的に、神式の葬儀に招かれる機会は少ないでしょう。神式の葬儀はお供え物や祭壇の作り方、お葬式の進行なども違いがあります。また、参列する側も、香典袋の表書きの書き方などマナーの違いがあります。ここでは神式と仏式で異なるマナーや、葬儀費用についても解説します。

神式と仏式の葬儀の違いとマナー

神式の葬儀って何をするの？

神式の葬儀は「神葬祭」と言います。仏式と大きく異なるのは、故人を仏の世界に送る仏式の葬儀に対して、神式では「故人の霊を家の守り神にする」ための儀式をすることです。

その為、神式の葬儀は、仏式と手順も意味合いも違い、お供え物や、祭壇の飾り方、神棚の扱いにも特徴があります。

神式で葬儀をする場合、死は穢れとして嫌う為、神社で葬儀はしません。必ず自宅や斎場などで葬儀を行うので、穢れた気を入れないために、最初に「神棚封じ」という儀式を行います。

ここまでが、臨終後からお通夜の前にすることです。その後、「通夜祭」という、お通夜に当たる行事をします。翌日には告別式に当たる、「葬場祭」という行事を行います。ここでは、一般的に参列する機会が多い、葬場祭のマナーを解説します。

神式の葬儀に招かれた場合のマナー

もしも神式の葬儀に招かれたら、数珠は必要ありません。
なぜなら、数珠はあくまで仏具なので、神式にはふさわしくないからです。
また、服装も一般的な喪服でかまいませんが、香典だけは注意が必要です。

表書きの書き方ですが、薄墨を使うのが基本的なマナーです。ただし、玉串料は故人にではなく、神職に対するお礼だという考えから、「悲しみを表す薄墨を使う必要はない」という意見もあります。

マナーや考え方は、地域や家庭によっても異なるので、確認した方が無難です。香典袋は蓮の花など、仏教的なモチーフの印刷されていないものを選び、水引は、白黒の結び切りを使って下さい。

また、お悔やみの言葉をかける際には、「ご冥福」「成仏」という仏教用語は使いません。迷ったら「この度はお悔やみ申し上げます」と無難にすると、トラブルがありません。

神式の葬儀の流れと玉串奉奠のやり方

神式の葬儀である「葬場祭」の流れは、まず神職が会場に入り、お祓いをします。神主に一礼した後、神様へお供えする儀式や、故人の経歴が「祭詞」として読み上げられ、次に「玉串奉奠」が行われます。

玉串奉奠は、仏式でいう焼香にあたる儀式で、「玉串」と呼ばれる飾りのついた榊の枝を、喪主から遺族、親族、参列者と関係の深い順に祭壇にささげる儀式をします。

これが終わったら、神職が退場し、弔辞の奉呈、弔電の奉読が行われます。その後、親族で最後のお別れがあり、出棺の挨拶をして神式の葬儀は終わりとなりますが、場合によっては、親族だけで「直会」（なおらい）という会食をすることがあります。

神式の葬儀費用はどのくらい？

神式での葬儀は、位牌や戒名が必要ないから価格が安い、と考える人がいます。しかし装備費用というものは、宗派や宗教よりも、参列者の人数や、葬儀会場によって決まることが多いものです。

ちなみに、仏式での葬儀費用は平均250万円程度と言われています。神式でも変わりがないとすれば、他の手段で費用を抑えるしかないでしょう。

例えば、最低限度の物品がセットになった格安のプランを使ったり、家族葬など少人数でのプランを利用して、形式は神式にしてもらったりなどです。参列者が少なければ、引き出物や受付の人員などもいらないので、費用が抑えられます。

ただし、費用を抑えるために家族葬を選ぶのは、周囲の理解が得られないなど、後のトラブルに発展する恐れがあるので、慎重に選びましょう。

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