どう使えばいい？お清め塩の使い方と意味

お葬式から帰ってくると、玄関に入る前に塩をかける習慣があります。これは、「穢れを払う」という神道が由来の習慣です。そのため、塩を使わない宗派もあります。それではこの塩、普通の食塩や粗塩とは違うのでしょうか？ここではお清め塩について、使う意味から処分方法まで解説します。

お清め塩の意味とは？コンビニで買った塩ではダメ？

お清め塩にはどんな意味があるか

一般的に、お清め塩というと、お葬式から帰った時に「穢れを清める」という意味で使う塩がイメージされます。

これは、神道が由来の習慣です。人間や自然には、「気」というものが充満していると考え、この気が枯れると病気になったり、亡くなると信じられています。これを「ケガレ」（気枯れ）といい、のちに「穢れ」として忌み嫌うものになりました。

穢れを払うために塩を使うのは、日本神話の神様が、海水で身体を清めたことに由来しています。

ちなみに、塩には古来からお清めの効果があると信じられています。その為、悪い気を吸い取るお守りにしたり、財布に入れたりする人もいます。飲食店の隅に「盛り塩」をするのも、縁起を担ぎの効果を期待してのことです。

お清め塩がもらえない場合はどうするの？

お葬式に使うお清め塩は、実は普通の「粗塩」です。しかし、浄土真宗など一部の宗派では、お清め塩を使うことを否定しています。

また、最近ではお葬式でも、お清め塩を配らないことが増えてきました。

なぜなら「死は穢れとするのは故人に失礼だ」という考え方が広まったからです。現代では宗派に関係なく、お清め塩を配らないことが多いです。そういった背景もあって、お清め塩はなくても、忘れた場合でも問題ありません。

それでも、お清めができないと気になるものです。この場合はどうしたらいいでしょうか。

家にあるものをお清め塩として使う場合は、コンビニなどで買ったものには注意します。

お清め塩は、海水で身体を清めたという日本神話に由来しているので、海水を天日干し、もしくは窯焚きにした天然の塩でないと意味がないからです。

コンビニなどで売られている食用塩は、サラサラになる加工がしてあったり、化学調味料が入っていることがあります。そういった塩では、お清めの効果がないばかりか、部屋や衣類を汚してしまいます。

お清め塩の作り方・使い方と使うタイミング

お葬式でもらうお清め塩も、「おいせさん」として人気の伊勢神宮や、パワースポットとして有名な住吉大社などで購入できる塩も、使い方は難しくありません。

特に、市販されているスプレー式のお清め塩は、「気になる場所にスプレーするだけ」です。例えば、マンションやホテルで「いわくつき」の部屋に入った場合など、怖いと思うと余計に悪い気がたまると言われています。

そういった場合、気分転換の意味も込めて、スプレーしたり、塩を撒きます。

ちなみに、市販のスプレー式お清め塩は、精製水に天日塩が入ったものです。場合によってはエタノールやハーブ類が配合され、アロマテラピー効果を見込んだものもあります。成分や材料だけで見れば、自作するのは難しくないでしょう。

しかし、素人が家庭で作る場合には、雑菌が繁殖するなどのリスクがあり、おすすめできません。また、お清め塩という性質から考えても、塩が穢れを吸収してしまうので、そういった意味でも長期間の保存もできません。

お清め塩はいつ、どうやって処分する？

お葬式で使ったお清め塩の余りは、いつ捨てたらいいのでしょうか。また、どうやって処分したらいいか困ることがあるでしょう。

お清め塩はただの粗塩ですが、余りを料理に使ったり、食用にするのはやめましょう。お葬式で配られるお清め塩は、食べられることを想定していないため、工業用の塩を使うことがあります。

もちろん塩なので食べても害はありませんが、これは害がないからといってトイレの手洗い水を飲むようなものです。

せっかく穢れを払ったのに、穢れた気を吸い込んだ塩を、わざわざ体内に入れることもありません。すぐに処分することで、気を持ちなおす効果もあるのです。