会葬って？弔問や参列とはどう違う？

仏事だからと、お葬式もお通夜も同じように「会葬」と言ってしまいがちです。実際には、お通夜かお葬式かで会葬と言うか、あるいは「弔問」なのかが異なります。それでは、これもお葬式でよく使う「参列」という言葉はどうでしょう。これらの意味について解説します。

「会葬」って何をすればいいの？弔問・参列との違い

会葬と弔問の違いが分かりますか？

お葬式で、よく「ご会葬いただきありがとうございます」と言われます。しかし、お葬式やお通夜で、故人と対面することをまとめて「会葬」とは呼びません。

会葬を辞書で調べてみると、「葬式に参会すること」と書かれています。そして、お葬式に参列した人のことを、「会葬者」とも言います。

会葬という言葉は、単にお葬式に参列することを指します。しかし故人の死を悼み、お別れやお悔みを伝えるために、遺族と面会する要素があることから、お葬式以外の場面でも混同して使われがちです。

昔はお葬式も自宅で行いましたが、その前に故人と対面してお悔やみを述べる際にも、自宅に出向いていました。もちろん、今もその慣習はありますが、現代ではお悔やみを述べようにも、自宅ではなく安置所や斎場に遺体がおさめられていることが多くなりました。

また、お通夜やお葬式に間に合わない場合や、葬儀後に故人の死を知ってから自宅を訪ねる場合にも弔問という言葉を使います。

そこで現代では、お通夜に参列すること・お悔やみのために自宅を訪問することを、弔問と言うようになりました。葬儀社が司会をする場合も、お通夜では「弔問いただき」と言い、お葬式では「ご会葬の皆さま」などと使い分けています。

ちなみに「参列」は、何らかの式典に参加することを指す言葉なので、お通夜でもお葬式でも、参列と言って問題ありません。

会葬のマナー・挨拶は何を言ったらいい？

お葬式に招かれたら、服装は喪服を着用します。男性はブラックスーツで白のワイシャツ、女性は黒のワンピースやアンサンブルなどを着用し、男女ともに光り物や、革製品・毛皮などを身につけてはいけません。この辺りは、ごく一般的なマナーです。

しかし、挨拶となると困る人は多いものです。

お葬式に参列する場合、お悔やみを述べたり、香典やお供え物を手渡す際など、会葬者が喪主や遺族に挨拶する機会が多くあります。

挨拶をする際、宗派によって使えない言葉があるので注意します。「冥福」「成仏」などは仏教用語であるばかりか、同じ宗派でも浄土真宗では使わない方が無難です。「ご霊前」はどの宗派・宗教でも使えるので便利です。

また、会葬中に退席する場合、そもそも葬儀に出席できない場合など、やむを得ない事情が発生した場合はすぐに挨拶をします。

会葬欠席の理由が、結婚式や授賞式などお祝い事の場合は、理由を伏せるようにします。

葬儀後に弔問する時のマナー

何らかの事情で、葬儀に参列できなかったり、故人の死を後から知った時など、故人の自宅を弔問しなければならない時があります。
そういった場合には、何に気をつければいいでしょうか。

よほど親しい間柄で時間が許せば、お通夜前に弔問することがあります。しかし、お通夜の対応や悲しみなどで、遺族は心身ともに負担が大きいはずです。

また、お通夜前の弔問に限らず、遺族には弔問客の対応や準備が必要です。その為、弔問の際には必ず事前に連絡を取り、日時を確認してから自宅を訪問しましょう。

また、弔問の際に気をつけたい服装やマナーですが、喪服では逆に失礼にあたることがあるため、注意が必要です。「故人の死に対して、しっかり準備してきた」という印象を与えかねないからです。

地味な色のスーツや、ダークな色で無地のワンピースなどが一般的です。

「会葬辞退のご案内」をいただいた場合

家族葬や密葬などで、お葬式を近親者のみで済ませる場合、あらかじめ一般会葬者の参列を断ることがあります。この案内は、葬儀後に届くことがあるため、多くは後日に弔問することになります。

しかし、この場合は注意が必要です。