お葬式をする理由とは お葬式をしなかったらどうなる？
お葬式をしないと親族ともめる？後悔しないための方法
近年、弔問客を招いてのお葬式をしない人が増えています。お葬式をしないと費用がかからず、家族だけでゆっくり故人とのお別れができます。しかし、お葬式をしないことのデメリットもあります。ここでお葬式をする理由と、お葬式をしない場合の対応について知っておきましょう。
お葬式をする理由と、最近増えている「直葬」とは
宗教観や死生観の変化や、家庭や経済的な事情から、お葬式をしない人が増えています。
また、「家族だけでゆっくり故人とお別れをしたい」「故人の性格を考えて大げさなことはしたくない」との考えから、親族すら招かず、遺族だけでのお葬式をする人もいます。
お葬式は宗教色が強い儀式ですが、現代の日本では、信仰心が薄れている傾向にあります。
特に仏教は「葬式仏教」と言う人もあり、お寺や仏教が、そのままお葬式のイメージになている人もいるほどです。
そういった背景がある為、今やお葬式は、遺族が故人とお別れする・故人と関係のあった人のためにお別れの場を用意する機会、といった意味合いにもなっています。
法律では、死後24時間は火葬せず、安置するように定められています。
また、故人を指定の墓地などに、火葬または土葬にすることを義務付けています。
多くの場合は、遺体の安置中にお通夜やお葬式をすることが一般的ですが、お通夜やお葬式をするとの指定はありません。
その為、お葬式をしなくても法律上は問題なく、何か起きることもありません。
さらに、日本では土葬をできる墓地がほぼない為、事実上は火葬をすると決まっています。
最近では火葬場も、僧侶を呼んで読経をしてもらったり、遺族や親族が集まって食事ができる、斎場としての機能を兼ねた所が増えています。
そこで、お通夜やお葬式をせず、遺体を安置所から火葬場に直接搬送した後、火葬場で不要を済ませる「直葬」というスタイルのお葬式も増えています。
お葬式をしないことのメリット・デメリット
お葬式は、法律でするようにと、決められているわけではありません。
古くからのしきたりや、故人とお別れするための儀式という意味、または「しないのは非常識」「罰が当たるのではないか」といった、日本人ならではの感性からお葬式をするのが一般的になっているだけです。
とはいえ、お葬式をしないと、親族やこれまで親しくしていた人との関係が崩れる、などのデメリットもあります。
お葬式をしないということは、まだ十分に理解を得られる行為ではありません。
特に、親族と菩提寺に理解を得られない場合は、後のトラブルに発展することがあります。
お葬式をしないということは、遠方の親族との再会の場を失くすことでもあり、沢山の人が、故人とお別れする機会を奪うことでもあります。
また、菩提寺がある場合、勝手にお葬式をしないことにすると、お寺のお墓や納骨堂を利用できない・今後の仏事を断られる恐れがあります。
お葬式をしない人のなかには、お葬式に費用がかかる・頂いた香典のお返しができないといった経済的な理由がある人もいます。他には、故人の宗教観や死生観に基づいたり、故人の個性を尊重して、お葬式ではなく「お別れ会」などを開くケースもあります。
そう考えれば、お葬式をしないことで得られるメリットは、「故人や遺族の意向に沿ったお別れができる」「経済的負担が少ない」といったことがあげられます。
お葬式をしない場合の手順・香典や連絡のマナー
お通夜や葬儀をしないと決めた場合の連絡や、マナーはどうしたらいいのでしょうか。それは、どのような葬儀であっても、訃報があった場合は親族や会社、周囲の人に伝えます。
そのうえで、葬儀をしない場合は、「都合にて葬儀は行わず、御香典や供花・御供も辞退いたします」と伝えます。
喪主側は、訃報の連絡をする際に、亡くなったのは誰か・葬儀の形式・香典や供花、お供えは辞退するか否か、を伝えるのがマナーです。
その為、葬儀をしない場合や香典を辞退する場合も、その旨を連絡します。
また、「香典は辞退します」と連絡を受けた場合は、喪主や遺族の意向に従います。
お葬式をしない理由には、家庭・経済的な事情が絡んでいることがあるからです。
一般的に、香典を頂いた場合、お返しの品物を購入したりとお金がかかります。
そこで、香典を頂くと、かえって遺族の負担になりかねないからです。
その為、お葬式や香典を辞退された場合は、無理に渡したり、特に理由を訪ねたりせず、遺族や喪主の意向にしたがっても失礼ではありません。
この場合は、先方に連絡したうえで許可を取ってから、弔問して線香をあげたりするようにします。この際、香典ではなく供花やお供え物のお菓子などを持参します。
ただし、お供えの類も断られることがあるので、事前に確認するようにしましょう。
