自然葬の意外と知られていない豊富な種類

散骨を行うと法律違反になる？日本でできる自然葬

そもそも自然葬とは何？その種類とは

よく「土に還りたい」と言われるように、自然のサイクルに回帰したいという希望を持つ人がいます。自然葬とはまさにそのような思想のもと、行われる葬儀の形式です。

具体的に自然葬とは、遺体や遺灰を海や山などに葬ることで自然に還っていくことを目指しています。その為お墓など、墓標になるものを置かないのも自然葬の特徴です。

風葬は遺体を山などに安置し、自然に風化していく葬儀です。またチベットなどで有名な鳥葬は、遺体をハゲワシなどの鳥類に与えることで、自然界に回帰していくという思想のもと行われる葬儀です。

さらに近年ではロケットや風船を使用して、遺骨を宇宙にまく宇宙葬や、お墓のかわりに木を植える樹木葬が注目されています。また遺体を冷凍施設に保管する冷凍葬も知られるようになりました。

また冷凍葬は、遺体を冷凍して水分を抜き、フリーズドライの状態から粉砕して肥料として畑などにまく方法と、将来の蘇生技術を期待して、遺体を冷凍施設に保管するものの2通りあります。「自然葬」という意味では、スウェーデンで行われている前者でしょう。

日本で行える自然葬の種類は何があるのか

自然葬には風葬や鳥葬などがありますが、日本で行える自然葬は限られています。なぜなら日本国内では埋葬法によって、墓地や納骨堂などの許可を得た場所でなければ、遺体や遺骨を葬ることができないからです。

遺体を火葬または土葬しなかったり、埋葬の許可を得ていない場所に葬ると「死体遺棄罪」という罪に問われ、罰金を徴収されることもあります。また現代では土葬にできる墓地がないため、日本では事実上火葬しか行えません。

しかし法律では火葬を行い、許可を得た場所に葬るのなら罪に問われることがありません。そこで近年は樹木葬ができる墓地や、散骨を行うことも増えています。

ただし、自治体によっては条例によって散骨を禁止しているところもあります。その為、日本国内であっても、散骨や樹木葬を行えない場所が多いので注意しましょう。そういった事情から個人で勝手に自然葬を行うよりも、専門の業者や、自然葬を推進しているNPO団体に相談したほうが確実です。

日本国内で自然葬を行う時の注意点

日本国内で自然葬を行うには、専門の業者を通したほうがスムーズです。なぜなら条例によって散骨や樹木葬が禁止されていたり、手続が複雑な為、故人が勝手に自然葬をするのが難しいからです。また宇宙葬や冷凍葬などを希望している場合は、海外の業者や施設との交渉が必要になります。

お参りや法要のことを考えたうえで、業者を選ぶ際には、いくつか見積をとり希望をしっかり伝えるようにしましょう。

また自然葬は比較的新しい葬儀の形であり、遺体をフリーズドライにして畑にまく冷凍葬などは、倫理的な観点からも反対する人は多いものです。そのため故人や遺族の意向であっても、親族間で相談し理解を深めておく必要があります。

気になる自然葬の費用とは

自然葬の費用は、希望する種類や場所によって違いがあります。一般的な樹木葬では50万円程度が相場と言われています。また散骨では散骨する場所にもよりますが、5万円から30万円程度とばらつきがあります。