お線香のマナー 訪問時間や正しいお線香の上げ方など

お線香はいつあげればいい?宗派別本数のマナー
一般的な弔問のマナーと時間帯
お通夜や葬儀に参列できなかった場合や、改めて故人へお線香をあげたい時に、故人の墓前や自宅に弔問することがあります。弔問の基本的なマナーとして、相手側の家に迷惑をかけず故人を敬う姿勢が大切です。
弔問してお線香をあげる為には、事前に遺族に連絡して都合のいい日時を確認します。その上で、地味な色のスーツやワンピースなどの平服で訪問します。訪問した際には「この度はご愁傷様でした」など挨拶をします。
遺族の許可を得た場合のみ、故人の仏前でお線香をあげることができます。弔問者がお線香をあげる際には、まず仏前に一礼し、お線香に火をつけます。お線香の本数や立て方は宗派によって異なるので、確認しておきましょう。
またお線香の火を消す時は吹き消さず、左手であおぐようにします。お線香をあげた後に、お鈴を鳴らしてから合掌します。お鈴を鳴らす回数は1回です。合掌したら遺影に一礼し、その後遺族にも一礼します。
お線香をあげ遺族に一礼した段階で、香典やお供えがあれば渡します。弔問はあまり長居せず、お線香をあげ終わって挨拶をしたり、遺族へのねぎらいの言葉を一言伝える程度で退出するようにしましょう。
お線香は毎日あげなきゃいけない?
亡くなった故人や仏様は、お線香の香りを食事のかわりにしていると言われます。これを香食(こうじき)と言います。またお線香をあげるのは、香食の意味だけではありません。
亡くなってから四十九日までの間、故人の霊は、生前の行いについて裁きを受けると言われています。この間に遺族がお線香をあげることで、故人の生前の罪を洗い流し、裁きの結果が良くなるように祈ります。これを追善供養(ついぜんくよう)と言います。
追善供養には、お線香をあげることによって故人の罪や場を浄化することと、食べ物のかわりに故人や仏様に香りをお供えする、という意味があります。その為、追善供養が終わる四十九日法要までは毎日お線香をあげましょう。
追善供養が終わり、四十九日を迎えた忌明け後は、特に毎日お線香をあげる必要はありません。地域や家庭によっては、毎朝お線香をあげることもあります。ただしこれはあくまでも慣習である為、故人や仏様と向き合いお参りしたい時はいつでも、お線香をあげてかまわないのです。
宗派別・お線香を立てる本数
お線香は、宗派によっても立てる本数が異なります。他家に弔問した際、宗派が分からなければ自分の宗派、もしくは普段からしている方法や本数でかまいません。弔問してお線香をあげるのは、あくまで故人をしのぶ気持ちだからです。
参考までに、一本だけ立てるのは臨済宗・曹洞宗・日蓮宗です。この宗派はお線香を折らずに使用します。一本のお線香を二本に折ったものを立てるのは、浄土真宗・浄土真宗本願寺派・浄土真宗大谷派・日蓮正宗です。折らずに三本立てるのは真言宗・天台宗で、浄土宗は本数に決まりがありません。
宗派によってお線香に対する考え方が異なる為、立てる本数も異なります。しかし基本的にお線香は、香りによって心身や場を浄化するという、共通した目的があります。その為、四十九日まではお線香は宗派によらず一本だけ立てた方がいい、という考えもあります。
お線香は立てる?横にする?
お線香を立てる本数は宗派によって異なりますが、お線香を立てたり、横にしてお供えすることもあります。お線香を立てるか、横にするかの違いには様々な理由があります。まず一つが宗派による違い、もう一つは香炉の大きさによる都合です。
宗派別に言えば、浄土真宗・浄土真宗本願寺派・浄土真宗大谷派では、お線香を横にします。その他の宗派では香炉に立てておきます。ただし弔問の場合は、どの宗派も一本だけ立てることが多いようです。
弔問の際に一本だけお線香を立てるのは、お線香をあげる人が多くなる為、香炉に立てるスペースがなくなることと、香炉いっぱいに何本もお線香が立っていると、次にあげる人にぶつかって火傷をする危険性があるからとも言われています。
そういった事情もあることから、弔問の際にお線香をあげる際には、一本だけ立てておくのが無難でしょう。













