仏壇や墓石の魂抜きの金額は？ 無許可での廃棄は罪になるの？

引っ越す時にも魂抜きが必要？仏壇と墓石の正しい処分法

仏壇や墓石の魂抜き・魂入れとは何か？

お墓や仏壇を使い始めたり、使うのをやめて取り壊す時、あるいは墓石や仏壇を移動させる時には「魂入れ」「魂抜き」という儀式が必要になります。一部の宗派を除き、仏教では仏壇や墓石には魂が宿っていると考えられているからです。

その為、仏壇や墓石を使う際には魂を入れる「魂入れ」、反対に使うのをやめる時、墓石や仏壇を処分する時には「魂抜き」を行います。これらの儀式は、僧侶を呼んでお経をあげてもらい、墓前や仏前にお供えをするものです。

とはいえ、宗派や人によっては、お墓や仏壇に魂が宿るのは迷信とも言われます。法律的に言えば、自分の家の仏壇や墓石については、儀式をしなくても処分することはできます。

しかし長年お参りしたものをそのまま処分するのは、色々なトラブルのもとになります。これまでお参りしてきた仏壇や墓石、親族などに対する礼儀として、魂抜き・魂入れをしておいた方がいいでしょう。

仏壇・墓石の魂抜き費用とお布施

仏壇や墓石を処分する際には、魂抜きの儀式を行います。具体的には僧侶を呼んで、生花・ろうそく・線香をあげた上でお経を読んでもらいます。仏壇・墓石ともに儀式の内容はほぼ変わりません。ただし墓石や仏壇の魂抜きをしてもらう場合は、交通費やお茶代など、僧侶にお布施を渡す必要があります。

お布施は、地域やお寺によっても金額が変わってくるものです。相場よりも高くなることは考えられます。魂抜きの費用を抑えたい場合は、経済的な事情を話して安くしてもらうか、お布施の金額が一定しているサービスを選ぶといいでしょう。

現代では定額制で僧侶を派遣するサービスや、石材店や仏具店などで、魂抜きのかわりにお清めやお焚き上げができることもあります。決まった菩提寺がない・魂抜きにこだわらない場合は、そういったサービスを利用すると、金額が抑えられることもあります。

仏壇は粗大ゴミに出していいの？

魂抜きをした仏壇は、ただの「モノ」なのでゴミとして廃棄することは可能です。ただし仏壇の付属物や仏具は金属などの不燃物で作られていることがある為、分別・分解する作業が必要になります。また自治体によっては粗大ゴミとしてそのまま出すこともできます。

また近年では、仏壇をかわりに廃棄してくれる専門業者もあります。自分で仏壇を処分したくない、粗大ゴミに出すのが面倒、心情的に処分できないなどの場合は、専門業者やお寺に相談してみるといいでしょう。

墓じまいが犯罪になるケースとは

少子化・高齢化が進む近年では、お墓を管理する後継者がいない為、墓石を処分する「墓じまい」をすることが多くなっています。しかし一定の手続をせず墓石を廃棄・破壊をすると、刑法の墳墓発掘罪（ふんぼはっくつざい）という罪に問われることがあります。

墳墓発掘罪は、他人の墓石を破壊したり、発掘して遺骨や遺体を取り出すなどをした場合に、2年以下の懲役になるものです。これは自分の家の墓を無許可で廃棄・破壊した場合にも適用されるケースがあります。例えば親族や家族に無許可で墓じまいをした時に、反対した家族に訴えられることも考えられるでしょう。

仏壇や墓石を処分する際には、魂抜きの他に自治体への手続・相談なども必要です。事前に確認するようにしましょう。