相手が喪中のときに気をつけたいマナー もし喪中と知らなかった場合は?

喪中とは?
喪中というのは、家族や親族など近親者が亡くなった場合に、一定の間、亡くなった人の死を悼み供養を行わないといけない、つまり喪に服す期間のことをいいます。昔は門戸を閉じてお酒や肉などの食事の制限もあり、また晴れがましいことは避け、派手な行動は慎まなくてはいけませんでした。
現在でもその習慣はところどころに引き継がれているため、お正月や結婚式などのお祝い事は極力避けるようにします。年賀状を控えるのもそのためです。
喪中の期間
喪中の他に忌中というものもありますが、このどちらも明治7年に、明治政府によって出された太政官布告で期間が定められました。この法令が撤廃された現在にあっても、このときの太政官布告が今の忌中や喪中の期間の目安とされているのです。
喪中というのは喪に服する期間のことをいいますが、昔は喪服を着ていなければいけない期間という意味でした。喪中の期間は故人が亡くなって丁度1年後の一周忌までが喪中と呼ばれています。
また忌中は、自宅で謹慎していなければいけない期間のことでした。現在では忌中は四十九日の法要の際に、忌明けとするのが一般的です。
喪中の際のお正月などお祝い事のマナーでの注意点
喪中の間お祝い事などは避けないといけません。お正月にする門松や鏡餅やしめ縄飾りなどの飾りつけや、お正月のお祝い膳にお屠蘇でのお祝い、また初詣やお正月の挨拶なども控えるのが一般的です。
喪中はがきの送付の注意点
年賀状で年始の挨拶も控えなければいけませんが、そのためには喪中はがきを送付して相手に知らせます。喪中はがきは喪に服しているため年始のご挨拶ができません、といった趣旨のものを相手に伝えるためのお詫びのために送るものです。
喪中はがきを送付するタイミングは、できれば相手が年賀状を用意する前に送りたいものです。しかし年賀状を遠慮するお知らせなのですからあまり早すぎてもかえってマナー違反となりますので注意してください。だいたい11月から12月初めころに届くように送るといいでしょう。
喪中はがきを送ったのに年賀状が届く場合がありますが、喪中の人からは年賀状は送れませんが受け取るのは問題ありませんので、相手に対してマナー違反だと憤慨する必要はありません。
寒中見舞いで年賀状を出してしまったことのお詫びを
また相手が喪中であることを知らずに年賀状を出してしまった場合などや、入れ違いで送ってしまった人も気を遣わなくても大丈夫なのです。
それでもやはりどうしても気になるという人は、お悔やみとお詫びの気持ちを寒中見舞いのはがきに込めて送付するといいでしょう。
寒中見舞いは、季節の挨拶をするために送るものですが、だいたい立春の後から寒さの続く間に送られるものです。立春は2月4日なので、お正月が過ぎてすぐということもあり、喪中で年賀状が送れなかった人が、近況報告をするためなどによく使われます。
喪中の相手にお歳暮をするのはマナー違反?
お歳暮というのは日頃からお世話になっている方への感謝の気持ちを込めて贈るものですから、季節的なものでもありますが、お祝い事というわけではありません。ですから喪中の相手であっても問題ありませんのでお歳暮を贈っても大丈夫です。
ただ自分が喪中だった場合、もちろん贈っても問題はないのですが、贈られる方がよく思わないという場合もあります。それは前もって聞いて配慮する方がいいでしょう。またやはり忌中の間はそれら一切の行動は慎むべきでしょう。
また自分が喪中だった場合のお歳暮の熨斗には注意が必要です。通常は紅白の水引きを使うものですが、喪中ではふさわしくありませんので、水引きのない無地の熨斗を使うようにしましょう。
喪中に結婚式に招待するのはタブー?
お祝い事は避けた方がいいとされる喪中ですが、そんな相手でもできれば結婚式には出席してもらいたい。しかし招待してもいいのかどうか迷うところです。また相手が喪中であることを知らずに誘ってしまった場合、どう対応すべきなのでしょうか。
喪中の相手を結婚式に招待する際に気をつけること
最近は喪中でもあまり気にしない人が増えてきましたので、喪中だからといって絶対お祝い事は避けなければいけないという風習は薄れてきました。ですから忌中でなければ結婚式に招待しても即マナー違反とはなりません。
ただこのように全体的に意識の低下によって、安易に招待状を出してしまう場合もあります。最近はマナー違反ではないから大丈夫といった形式的な側面に捕らわれがちで、大切なことを忘れてはいけません。
もしかすると喪中の相手はまだ深い悲しみの中から立ち直れないでいるかもしれません。また古いしきたりを重んじている方かもわかりません。本人はいいといっても親族から常識外れだと言われる場合もありますし、地域や宗教によってはマナー違反ととられる場合もあります。
自分が良くても相手を気遣う気持ちを忘れてはならないのです。招待状を出す前に、やはりきちんと相手の意向を聞いておくべきでしょう。また知らずに招待状を出してしまってからあとで分かった場合には、きちんとお詫びを述べるようにしましょう。
相手に気を使わせないように何も言わずに出席してくれた場合には、ちゃんとお礼をするのが最低限のマナーと言えます。













