お盆の精霊馬とは？ 作り方や処分の方法など

精霊馬のお盆での役割とは？

精霊馬は、しょうりょうま、またはしょうりょううまといって、お盆になるとそれぞれの家庭で作られます。

精霊馬の作り方

お盆の際、盆棚にお供え物として飾りつけられるもので、きゅうりと茄子を用いて、そこに足に見立てた割り箸や爪楊枝を刺し、動物の形に人形を作ります。

作られる動物は馬と牛で、きゅうりが馬、茄子が牛の役割を果たします。これはお盆でご先祖様が戻って来たり、帰って行ったりするときに乗る乗り物として作られたものです。

割り箸を使う場合は、割り箸を割って2本にしてから、半分の長さにカットします。つまり１膳で４本の棒ができます。これは馬や牛の足として使いますので、それをイメージしながらきゅうりと茄子のそれぞれに直接刺します。これでちゃんとひとりで立つことができれば完成です。

バランスが悪いようであれば、割り箸の長さを少しずつカットしながら長さを調整していきます。

きゅうりと茄子が小さめで、割り箸ではバランスが悪いようであれば、爪楊枝を使います。

精霊馬がきゅうりと茄子で作られる理由とは？

精霊馬が習慣となっている地域では、お盆ではこれがないとご先祖様が戻って来ることができませんので、必ず用意します。

なぜきゅうりや茄子が使われるようになったのかというと、きゅうりや茄子は夏野菜で、この時期に手に入れやすいということや、御供物用の初ものの野菜のおさがりを、そのまま処分せずに精霊馬として再利用したという話しもあります。

逆に牛は足の遅い動物であるということから、あの世に帰るときの名残惜しい気持ちを表しています。また、お盆でたくさん用意したお供え物をご先祖様に持ち帰ってもらうために、荷物をたくさん乗せても大丈夫な、力持ちの牛にしたと解釈している地域もあります。

きゅうりが馬に選ばれた理由は、見た目が細長くて速そうなイメージによるもので、茄子が牛に選ばれたのもきゅうりに比べると丸くていかにものんびりとした見た目のイメージによるものだと考えられます。

誰にでも簡単に作れてユーモラスで分かりやすい形が、いつまでも人気が続いている理由だと考えられます。

精霊馬はいつ作って供えるのか？

一般的に、お盆は8月13日から16日までの期間になります。一部の地域、関東などは、7月にお盆が行われるところもあります。

地域によっては16日の送り盆にお供えし、送り出すためだけに精霊馬を作られるというところも数多くあります。

精霊馬の置き方にも注意が必要

出来上がった精霊馬は盆棚に並べるのですが、その置き方にも意味がありますので、注意が必要です。

精霊馬の処分の方法とは？

さて迎え盆が終わり、精霊馬の役割は果たされました。しかしご先祖様の乗り物として使われたユーモラスな精霊馬を、もう不要だからといって生ゴミと一緒に処分するのは、とても気が引けます。

昔はお盆で役割を終えたお供え物は川や海に流すというのが一般的でした。しかし最近は川や海などに流してはいけないことになっています。ではどうすればいいのでしょうか。

ただこれらのどれも可能でない場合は、塩で清めてから半紙などに包んで処分しても構いません。食べてもいいのですが、時期的なこともあるので食中毒なども考えるとおすすめはできません。